農家の販売ルートって?収益アップも夢じゃない?販路について考察。

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農家にとって、栽培技術と同じくらい重要なのが販売ルートです。
IkeIkeファームでは、様々な販路に取り組んできました。
弊所が取り組んできた販売ルートについて、下記にご紹介します。

6種類の販売ルート

大きく分類して、6つの販売ルートがあります。

・JA(農協)出荷

JAの組合員になれば、出荷が可能です。
JA職員が販売してくれるので、農家は栽培に集中することが出来るのが魅力です。
JAは主に市場や量販店へと出荷します。
入金サイクルも早いので、資金繰りも非常に楽になります
しかし、JAによって重点的に取り組んでいる作物が違うので、あらかじめ情報を得ておく必要があります。
せっかく栽培したのに、JAが取り扱っていない作物では販売が困難になってしまいます。
私の場合は農業を始める際に、まずはJAに販売している作物を相談し、それから栽培品目を決めました。


・市場出荷

JAを通さず直接市場に出荷する販売ルートです。
こちらも、市場の販売担当が販売をしてくれているので、農家は栽培に集中できます。
JAを通していないので、JA手数料が発生しない分お得になっています。
これだけ聞くと、JAを通さない方が良いのでは?と思ってしまいますね。
しかし、自身で市場に出荷した作物が、JAが出荷した作物と同じ価格で販売されるとは限りません。
市場に安定した価格で売ってもらうには、ある程度ロットがまとまっており、毎日の出荷量が安定してるという条件が必須になってくるでしょう。
JAは農家が多数集まって大きなロットになっているため、この条件に対応できます。
しかし、1件の農家がまとまったロットで安定的に出荷するのは困難です。
また、JAにはブランド力があります。
そういった意味でも、同じ市場に出荷をしたとしても、JAを通して出荷した方が高値がつく場合があります。
市場に出荷した作物は相場に左右されるため、豊作の年は安値傾向になってしまうという欠点もあります。

・仲卸やスーパー等への直販

JAも市場も通さず直接に卸売業者やスーパー等に販売する販売ルートです。
主に直販と言われています。
JA出荷や市場出荷は相場に左右される事が多いですが、直販では値決めで販売するので、相場に左右されにくいというメリットがあります。
しかし、営業は全て農家がやらなくてはなりません。
また、スーパー等からの発注に対応出来なくてはなりません。
大きなスーパーでは、特売日に通常の何倍もの発注が来ることがあります。
とても個人で対応出来る量ではありません。
欠品をしてしまうと信頼を大きく損ねてしまいます。
さらには、販売先から見てより優位な産地が見つかってしまうと、そちらに仕入れ先を変えられてしまう可能性もあります。
そのため、他産地の情報にも常に気を配らなくてはなりません。
JAや市場の中間手数料が発生しない分、高値で販売できる可能性がありますが、その分リスクも背負わなくてはならない販売ルートです。
農作業で手一杯という状態の農家ではなかなか直販は難しいでしょう。

・契約栽培

直販と似ているところがありますが、数量や単価、栽培面積等について販売先と農家とで予め取り決めを行い、契約に基づいて出荷していく形態です。
直販よりも、途中で取引を切られてしまうというリスクは少ないです。
しかし、契約通りに出荷が出来ない場合には、大きく信頼を損ねてしまいます。
契約栽培の最大の利点は販売金額が予測できるので、計画を立てやすいという事です。
契約栽培では出荷契約数×販売単価で年間の売上が簡単に計算できます。
JAや市場出荷では販売単価に大きな変動があり、直販では販売数量に大きな変動があるため、販売金額を契約栽培ほど正確には予測できません。

直売所

直売所の魅力は自分で価格を決められるという事です。
消費者に直接販売するので、高単価での販売が出来る販売ルートです。
しかし、これまでの販売ルートに比べると販売量は大幅に少ないです。
そのため、売れ残りも発生してしまいます。
大規模農家では、B品(見た目は劣るが味は同じもの)を直売所に出荷するなどして工夫しております。
私は袋詰めの手間も省き、一袋○○円詰め放題という方法でも販売しました。
これが大人気で、袋詰めされた野菜よりもはるかに多く売れます。
このように、販売形態も自由に決められるのも直売所の魅力です。

・ネットショップ(通販)

ネットショップも直売所と同様に販売価格を自分で決める事が出来ます
近年では、通販を取り入れて売り上げを大幅にアップさせている農家の話をよく聞くようになりました。
これだけを聞くとネットショップはとても魅力的に感じますが、ここまでたどり着くまでがとても大変です。
苦労してネットショップをオープンしても、初めは完全に無名の状態です。
そんなところになかなかお客様は訪れません。
IkeIkeファームでもネットショップに取り組んでおりますが、まだまだ納得のいく成果は出ておりません。
如何にアクセス数を稼ぐかを現在工夫しているところであります。
私が通販に取り組むきっかけとなったのが「直販・通販で稼ぐ! 年商1億円農家 (DOBOOKS)」という本でした。

北海道のメロン農家さんが書かれた本です。
生産規模は北海道では小さい方ですが、圧倒的な売り上げを上げているとの事でした。
現在はこの本を目標に通販事業に取り組んでおります。
軌道に乗るまでの苦労は大きいですが、その分見返りも大きいと言えるのではないでしょうか。

経営規模毎の販売ルートについて

これまで6種類の販売ルートについて紹介してきましたが、1件の農家がいきなり全てに取り組むのは大変です。
ここからは経営規模毎の販売ルートについて、私の見解を紹介していきます。

・副業としての農家

副業として農業に取り組もうとされる方や、会社を定年退職後に生きがいとして農業を始める方も良く聞きます。
こういった小規模の農家の方は直売所への販売が理想だと思います。
1品目に集中するよりは、少量で出来るだけ多品目を栽培すると直売所でも売りやすいです。
また、他では見ないような珍しい野菜は、直売所でも良く売れる傾向にあるように思います。

・就農したての農家

栽培技術もまだ確立出来ていないため、JAに全量出荷をするのが望ましいです。
B品等は直売所で販売しても良いでしょう。
JAは栽培指導もしてくれるので、非常に助かります。
まずは栽培技術を高める事に集中し、販売はJAにお任せしましょう。
JAには作物ごとに出荷組合というものがあります。
まずは出荷組合の中でもトップクラスの品質を目指しましょう。
品質に自信がついてきたら、直接市場出荷する事も検討しても良いと思います。
しかし、直販はまだ待った方が良いでしょう。
また、栽培する品目は1~2品目に絞った方が良いでしょう。

中規模農家(売上1000万未満クラス)

就農してから数年が経ち、売り上げが伸びてくる時に最初にぶち当たるのが売上1000万の壁です。
私の経験からすると、JA出荷だけではなかなか1000万以上の売り上げに到達できませんでした。
ここからは、売る工夫が必要になります。
私がどうやってこの壁を破ったかというと、契約栽培でした。
特に、加工向けの契約栽培を開拓することに力を入れました。
作物を収穫するのと同じくらい大変なのが、袋詰め作業です。
加工向けですと、大きいロットで出荷が出来るので、袋詰め作業が大幅に削減されます。
これにより、生産量を格段にアップすることが出来ました!!
契約先をどうやって見つけるのか?
こんな疑問を持っている人も居るかと思います。
私は農業に関する本を読む等をして、ひたすら情報を集めました。
契約先として良さそうなところが見つかったら、勇気を出して連絡を取ってみる事です!!
私は「たとえ断られても、自分の事は忘れ去られるだろう(笑)」と、開き直って営業をしております。
また、小規模のスーパー(1店舗経営)や市場に直販するのも有効です。
1店舗で経営しているスーパーは地域に密着している可能性が高いので、固定客もおり、安定的に仕入れてくれます。
大手スーパーの様な大量の発注が来る危険性もありません。

・中規模農家(※売上1000万~2000万クラス)

IkeIkeファームは現在(2020年)この位置に居ます。
売上1000万円を超えた次の壁は売上2000万円の様な気がします。
現在の取り組みとしては、今ある取引の中で拡大すべき販売ルートをピックアップし、そこに集中的に力を注いでいます。
また、現場を任せられる人材の育成も必要不可欠になります。
このあたりでネットショップへの取り組みも始めた方が良いかもしれません。
弊所では加工品を作成し、付加価値を付けた上で通販・直売へと挑戦しております。
なぜ加工品で勝負しようかと思ったかというと、野菜は非常に安価であるため、通販で販売した際に運賃の方が高くなってしまいます。
そこで、付加価値を付けて販売単価の底上げを狙いました。
このあたりで農家の経営方針が量産タイプ付加価値タイプとの2タイプへの分岐が始まるように感じます。
成功者の書物を多数読んでみると、ここを乗り切ると売上1億円も見えてくるようです。

・大規模農家

ここからは私も未知なる世界です(笑)
先ほどお話した量産タイプ付加価値タイプとで販売ルートが異なります。
量産タイプの農家は大手量販店などに直販されているケースが多いようです。
販売量を増やすことで売り上げを増やしております。
付加価値タイプの農家は主に通販で販売されているケースが多いようです。
こちらは生産量を増やすというよりは、付加価値を付けて販売単価を上げる事により売り上げを伸ばしております。
量産タイプの大規模農家ですが、中規模農家の販売先となる可能性があります
量産タイプの農家はさらに販路を拡大するにあたり、自社で増産するだけでなく仕入れ先を開拓しているケースも見られます。
また、年間を通して安定的に納品するためには産地をずらしていく必要があります。
そのためには協力してくれる農家が必要です。
自身が中期規模農家の段階では、販売ルートの一つとして営業してみるというのも有効な手段です。
こういった場合には契約栽培となるケースが多いように感じております。

収益アップのための各ステージ

これまでの話をまとめると、収益アップのためには栽培技術を磨く段階と、販売先を開拓していく段階と大きく分けて2つのステージがあるように感じでおります。
生産技術も未熟なままで販売に力を入れすぎると、肝心な栽培技術が追い付かなくなってしまいます。
焦らずに、まずは栽培技術を磨き、次に販売に力を入れていくのが重要かと思います。
また、販売に力を入れていく際には現場を任せられる人材の育成も非常に重要になります。
自分が現場から離れられる時間が増えれば、それだけ販売に力を入れる事が出来ます。
私自身も現在は人材育成と販売力強化に取り組んでいます。
さらなる発展を目指し、これからも頑張っていきたいと思います!!

追記
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
IkeIkeファームでは、新たな挑戦に向けてプロジェクトを立ち上げました!
成功のためには皆さんからのご支援が不可欠です!
返礼品の1つである「ゼロからの就農レポート」は、このページをお読みいただいた方にはご満足いただける内容になっております!
2022年12月18日までのプロジェクトとなります。
是非とも一度、下記のURLからご確認下さい!

https://camp-fire.jp/projects/view/635495

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