ネギ農家は風邪をひきにくいという話を聞いたことがあります。
思い返してみると、ネギの栽培を始めてからあまり風邪をひいていないような気がします。
たとえ風邪をひいたとしてもネギのオフシーズンでした。
ネギ農家は収穫シーズンになると超多忙で、休んでいる暇なんてありません。
だから単純に「忙しくて風邪なんてひいている暇ないよ!」と、気の持ちようだとばかり思っておりました(笑)。
しかし、どうやらネギの成分にその秘密が隠されているようです。
しかも、ネギの種類によって効果が違うとのことです。
そんなわけで、ネギの品種のおさらいと共に効果について見ていきたいと思います。
〇白ネギ
ネギ農家を大きく分けると、白ネギを作る農家と青ネギを作る農家との2種類になります。
関東では白ネギ、関西では青ネギを主に栽培しているようです。
日本全体で見ると、白ネギの生産量が圧倒的に多いです。
ちなみに私は両方栽培しております。
まずは白ネギについてですが、長ネギや一本ネギとも言われており、主に白い部分を食べるネギです。
ネギは日に当たる緑に変色してしまうので、白ネギ農家は何度も土を寄せてネギの白い部分を作っております。
これがなかなかの重労働です。
硫化アリル
ネギの白い部分には硫化アリルという成分が含まれているようです。
効果・効能については以下の通りです。
・抗菌、殺菌作用
・アドレナリンの分泌を促し脂肪を燃焼(体を温める)
・粘膜に付着した病原菌を退治(喉の傷み、鼻づまりを抑える)
・強い抗酸化作用(活性酸素の除去や発がん性物質の退治)
・血圧を下げる(動脈硬化や脳梗塞の予防)
たった一つの物質にこれだけの効能があるとはびっくりです。
ネギを調理していると、涙が出てくる事があるかと思いますが、その正体が硫化アリルとの事です。
ネギ農家は出荷時期になると1日に大量のネギの皮むきをします。
この時、一般家庭では考えられない位の硫化アリルを浴びているのだと思います。
実際に、ネギを栽培して1年目は皮をむく度に号泣しておりました(笑)
しかし、その苦労の甲斐あってか、風邪をひきにくい体が出来上がりました。
ネギ農家おすすめの食べ方は、ネギを素揚げして味噌で食べると素材の味も引き立ってとてもおいしいです。
私の場合は特製のかぐら南蛮みそで食べております。
こちらを参照 → 素揚げした野菜との相性抜群!!かぐら南蛮みそ
〇青ネギ
青い葉の部分を食べるネギで、葉ネギや万能ねぎとも言われています。
白ネギの栽培との大きな違いは、土を寄せる必要が無い事です。
しかし、白ネギの栽培ほど機械化がされておらず、青ネギ農家も白ネギ農家とは違う苦労をされております。
葉に含まれる“ヌル”
ネギの葉を切るとヌルヌルとした液体が出てくるかと思います。
この”ヌル“に有効な成分が含まれているようです。
“ヌル”の効能としては
・IgA抗体(唾液等に含まれている最近やウイルスをやっつける物質)が1.5倍に上昇
・マクロファージ(体内に侵入した最近やウイルスを退治する物質)が5倍に上昇
・ナチュラルキラー細胞(がん細胞や体内の異常な細胞を退治する細胞)が3~4倍に上昇
以上のような働きがあるようです。
さらに、ヌルは加熱しても効果は失われないとの事です。
ネギ農家が丈夫なのには納得が出来ますね…。
ちなみに白ネギにも青い葉の部分を切るとヌルが出てきます。
しかし、白ネギ農家はこの葉の部分を切って出荷しています。
また、もともと食べる事を想定していない部分ですので、青ネギに比べると葉の部分は硬くておいしくありません。
“ヌル”を摂取することを目的とするなら青ネギが良いでしょう。
私は九条ネギが大好物で、片手一掴み分を1食で食べてしまいます。
簡単においしく召し上がれる方法としては、ネギをぶつ切りし、塩コショウを軽く振りかけてレンジでチンするのがおすすめです。
レンジでの加熱時間ですが、ネギがトロトロしてくる頃が理想です。
茹でてしまうとせっかくの“ヌル”がお湯に溶け出てしまいますが、レンジならその心配がなく手間もいらないのでお勧めです。
ネギ農家はほぼ毎日ネギを食べており、さらには有効成分を体にも浴びています。
これでは風邪をひきにくくなるのも納得いきますね‼